『火車』

火車 (新潮文庫)
新潮社
宮部 みゆき

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こちらもあまり私が読むタイプの本ではないのですが…。

たまたま、テレビで『火車』のドラマスペシャルがあり、11月頭の連休(勝手に四連休)中、見ていました。

なかなか面白いな、と思ってみていると、妻が

「かなり端折っている」
「こんな話じゃない」
「ミステリー?カードローンの話だよ」
「犬が殺されるんだ」

などとよくわからないことを言い出す始末。

本人は本を読んだらしいので、結局その真実を確かめるため(?)私も妻から本を借りて読むことに。

以前、『模倣犯』を読んだ時に、正直、途中で飽きてきたこともあり、あんまり冊数が多いのであれば遠慮したいなぁ、と思っていたら、文庫本一冊分だったので、ホッとして取り掛かりました。


結論、テレビの出来は結構良かったと思いますね。よく筋を抑えてあるし、削るべきところも適切かな。

ただ、関根彰子の遺体を学校の校庭から掘り出すシーンはあまりよろしくないかと。ここは原作通りのほうが好ましい。

佐々木希、セリフが一切無いせいか、緻密で冷静沈着、計算高い女性の役柄をほぼギリギリ合格点でクリア。

話すとたぶん、ギャップが出すぎる。

普通、セリフが無い方がムズカシイ、と言われていますが、それほど感情表現が必要とされる場面もないため、配役としては意外に良いのでは、と失礼ながら思ってしまいました。

田端智子はうまいなぁ…。やっぱり。


本題。

結構よくできた小説だと思います。

共通点の多い二人の女性の間に横たわる決定的な違いと、そこから来ると思われる行動の差が終始一貫して明確に差別化され書かれています。

なんとなく泥沼に引きずり込まれ、なんとなく抜け出せず、なんとなく生きる女。

いやおうなく泥沼に引きずり込まれ、何度となく抜け出すためにあがき続け失敗を繰り返し、生きるために手段を選ばなくなった女。

クライマックスは現実的にはあり得ないシーンですが、その先に想像力を掻き立てられる書かれ方はいい意味ですっきりとしない読後感を与えてくれます。

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